1.弁理士とは何かを簡単に説明すると?

弁理士のキホン
トンボ
トンボ

弁理士って一体何をするんですか?

カブト
カブト

特許権や商標権を取るためのお手伝いをしているんだよ。

便利屋とよく間違われる弁理士(涙)。弁理士とは一体何者なのでしょう?

弁理士という職業は、士業の中でもあまり知られていません。その一因は仕事内容のわかりにくさにあるように思います。

この記事では、弁理士という職業がどういうものなのか、簡単にわかりやすく説明したいと思います。

弁理士の法律上の定義

弁理士に関する事項は、弁理士法という法律に定められています。弁理士法第1条には、弁理士の使命が次のように規定されています。

弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。

弁理士法によれば、弁理士とは『知的財産の専門家』であり、知的財産権に関わる職業であることがわかります。

知的財産、知的財産権とは?

では、知的財産や知的財産権とは一体どういうものなのでしょうか?

人間の知的創造活動によって生み出されたものの中には、技術的なアイデアや工業製品のデザインなど、財産的な価値が認められるものがあります。

このような財産的な価値のある知的創造活動の成果を『知的財産』と言います。

知的財産は、家や自動車のような有体物ではないので占有することはできず、第三者に真似をされるとその価値が失われてしまうおそれがあります。

知的財産が適切に保護されないとすれば、知的創造活動のモチベーションを低下させ、産業の発展を妨げてしまいます。

そこで、法律で規定された『知的財産権』と呼ばれる権利によって知的財産の保護が図られているのです。

産業財産権とは?

知的財産権と言われてもピンとこないかと思いますが、特許権や商標権なら聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

実は、特許権や商標権は知的財産権の一種であり、知的財産権の中でも『産業財産権』と呼ばれるグループに属します。

知的財産権と産業財産権

産業財産権の詳細については、下の記事で詳しく説明していますので、ここでは、「特許権、実用新案権、意匠権、商標権をまとめて産業財産権と呼ぶ」ということだけ覚えておいてください。

2.産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)とは?
トンボ 産業財産権についてもう少し詳しく教えもらえませんか? カブト 了解!少し難しいところもあるかもしれないけど、細かいことは気にしなくていいからね。 下の記事で、「弁理士は...

特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つは、知的財産権の中でも特に産業の発展と関わりが深いので『産業財産権』と呼ばれます。一昔前は『工業所有権』と呼ばれていました。

ちなみに、産業財産権以外の知的財産権の一例としては、ニュースなどにもよく登場する著作権があります。

トンボ
トンボ

専門用語だらけだ~(泣)

カブト
カブト

ここでは、「産業財産権=特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つ」ということだけ覚えてくれたらいいよ。

弁理士は産業財産権の専門家

産業財産権は非常に強い権利であり、権利を取得するためには審査をパスする必要があります。この審査を行うのは、産業財産権を所管する『特許庁』です。

具体的には、特許庁に対して『出願』と呼ばれる手続きを行い、特許庁の審査官によって所定の要件を満たしているかどうかの審査を行ってもらいます。その結果、要件を満たしていると認められると、産業財産権を取得することができます。

詳しくは下の記事で説明していますが、出願をはじめとする特許庁への諸手続きは非常に複雑で専門的であり、素人が一朝一夕にできるものではありません。

3.産業財産権を取得するための特許庁への手続きの流れ
トンボ 産業財産権を取るための手続きってどういうものなんですか? カブト 特許庁に「この内容で権利がほしい」という趣旨の書類を提出して、それを審査官に審査してもらうんだ。 弁理...

そこで、弁理士の登場です。

弁理士は産業財産権を取得するための特許庁への手続きの代理業務(権利化業務)に精通した専門家なのです。

さらに言うと、権利化業務は弁理士の専権業務(独占業務)であり、弁理士以外の者が権利化業務を行うことは許されません。

弁理士の売り上げの大部分は、クライアントから依頼を受け、権利化業務を行うことで得られる報酬となっています。ちなみに、権利化業務のことを『出願代理業務』と呼んだりもします。

弁理士とは?

つまり、最初に「弁理士は知的財産の専門家である」という話をしましたが、「弁理士は産業財産権の専門家である」というほうがより実態に近い説明と言えるでしょう。

弁理士は理系の資格

ここまで話をしてきたように、弁理士の主な仕事は、産業財産権を取得するための権利化業務ですが、中でも特許に関する業務(特許業務)が圧倒的に多くなっています。

特許業務をこなすには、特許法などの法律だけでなく、発明を理解できるように技術にも精通していることが求められます。このため、弁理士の多くは理系出身となっています。

もちろん、文系出身であっても、実務の中で技術を勉強することもできますし、意匠や商標専門の弁理士として身を立てていく方法もあります。

しかし、一般論としては、弁理士として活躍したいなら文系よりも理系のほうが有利です。

文系の弁理士が理系の特許業界で生き抜くためには?
トンボ 弁理士は理系の資格と聞きましたが、文系の人はいないんですか? カブト 文系弁理士で活躍している人もいるけど数は少ないね。 弁理士の仕事で圧倒的に多いのは、特許に関する権...

まとめ

弁理士という職業がどういうものなのか、基本的なことについてお話してきました。

まだまだ抽象的な話が多く、イメージしにくい部分も多いと思いますが、とりあえず、以下の点だけ押さえてもらえればオッケーです。

弁理士の主な仕事は、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)を取得するための特許庁への手続きの代理業務(権利化業務)である。
権利化業務の中でも技術に関わる特許業務が圧倒的に多いので、文系よりも理系のほうが有利である。
トンボ
トンボ

弁理士は、発明をするんではなくて、発明を特許にするお手伝いをするんですね。

カブト
カブト

その通り!その理解でバッチリだよ!

『弁理士のキホン』の次の記事はこちらです。

2.産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)とは?
トンボ 産業財産権についてもう少し詳しく教えもらえませんか? カブト 了解!少し難しいところもあるかもしれないけど、細かいことは気にしなくていいからね。 下の記事で、「弁理士は...