弁理士試験の参考書にはどんなものがあるんですか?
予備校に通うか独学かによっても変わるけど、最低限必要なものだけ紹介するね。
弁理士試験にはじめてチャレンジする人は、どんな参考書を用意すればいいのか、迷ってしまいますよね。
この記事では、私が弁理士試験の勉強に使っていた参考書の中から厳選した10冊を紹介します。どの参考書も必ず最新版を購入するようにしてください。
優先度を★★★(絶対必要!)、★★(買うべき)、★(状況に応じて)の3段階で表していますので、よかったら参考にしてください。
知財法文集
弁理士試験は法律の試験なので、法文集がないことには始まりません。
知的財産権法文集★★★
『知的財産権法文集』には弁理士試験の科目となる法律が収録されていますので、必ず購入しておきましょう。
法改正があれば、その都度最新版を購入することもお忘れなく!
いくつかの出版社から出ているので、大きさや紙質などの好みで選べばOKですが、個人的にはPATECH社のA6判のものが一番使い勝手がよいと思います。
四法対照★★
『四法対照』は、四法(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)の各条文の対応がわかるように構成された法文集です。
最初から購入する必要はありませんが、一通り四法の勉強が終わったあたりから使い始めると、勉強の効率化を図れます。
また、四法対照には余白がたくさんあるので、多くの受験生は余白にポイントなどを書き込んで、自作の参考書を作り上げています。
四法対照もいくつかの出版社から出されているので、好みで選べばよいでしょう。
特許庁による解説書
条文はただ暗記するのではなく、条文の趣旨や制定の経緯を知ることで理解が深まります。
そのためには、特許庁から出されている解説書を読むのが王道です。
工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(通称:青本)★★
『工業所有権法逐条解説(通称:青本)』には、条文が制定された趣旨や経緯が記載されており、条文の理解を深めるのに役立ちます。
青本の重要な記載は予備校のレジメにも記載されているので、最悪それで済ますこともできますが、弁理士受験生なら持っておきたい1冊。
最近は受験生の青本離れが進んでいるようで、これに対抗して、特許庁側は口述試験で青本の内容を問う問題を増やしているとかいないとか…。
青本は重いしかさばるので、キンコーズなどで法律ごとに分冊してもらえば、持ち運びしやすくなります。
特許庁のホームページでダウンロードすることも可能ですが、量が膨大なのでプリントアウトするのは大変です。
産業財産権法の解説(通称:改正本)★★
通称『改正本』は、特許法や商標法の法改正の際に発行される特許庁による解説本です。
法改正は試験でも問われやすいところなので、必ず読んでおく必要があります。
法改正後に青本が改定されると、改正本と同じ内容が青本に追記されることが多いですが、改正本のほうが解説が丁寧なので、一度は目を通しておいたほうがいいです。
改正本も特許庁のホームページ(「○○年法律改正関係」と書かれているもの)からダウンロードできますが、安いものなので購入したほうが手っ取り早いですよ。
商標審査基準★★
『審査基準』とは、特許庁で出願を審査する際の判断基準を示したもので、商標だけでなく、特許や意匠にも審査基準はあります。
弁理士試験では、特許の審査基準はそれほど重要ではありません(実務では重要!)が、意匠と商標は目を通しておいたほうがよいです。
特許審査基準、意匠審査基準、商標審査基準はいずれもダウンロードできます。
なぜか、商標だけは書籍化されているので買ったほうが楽チンです。意匠はがんばってプリントアウトしましょう。
弁理士試験の過去問
過去問を解かずして合格はあり得ません。どんな問題が出るのか知るために、早いうちから簡単にでも目を通すようにしましょう。
過去問集はここで紹介しているもの以外でも構いません。
短答試験の過去問集★★★
短答試験に関しては、答えを暗記してしまうぐらい10年分の過去問を何度も繰り返し解くことを強くオススメします。
くれぐれも直前期に1回だけやっておしまい、ということのないように!
短答試験は、10年分の過去問をマスターするだけで合格にグッと近づくので、いろんな参考書に下手に手を出すより、過去問をひたすら解くことを心がけましょう。
体系別のほうが使いやすいと思います。必ず2冊とも購入してください。
論文試験の過去問集★★
論文試験に関しては、過去問を何度も繰り返す必要はないと思いますが、10年分を最低1回ずつは解いてみましょう。
インプットはバッチリの人でも、アウトプットの難しさを実感できると思います。
過去問で答案構成力と筆力をしっかり鍛えましょう。
口述試験の過去問集★★
口述試験もできれば10年分、少なくとも5年分の過去問はやっておきたいところです。
私は口述の過去問の質疑応答をボイスレコーダーに録音し、通勤中にひたすら聞いてました。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
そのほかの参考書
そのほかに私が使用していた参考書の中でオススメのものを紹介します。
エレメンツ★
『エレメンツ』は、TACの講座でテキストとして利用されているものですが、市販もされており、初学者のテキストとしてオススメです。
予備校に申し込む人はテキストが配布されるので不要ですが、「とりあえず独学で始めてみよう」という初学者は買っておいて損はないでしょう。
知財判例集★
知財関係の判例集はいくつか市販されていますが、この本が一番コンパクトにまとまっています。
試験勉強で判例に深入りする必要はないので、この本に収録されている内容を押さえるぐらいで十分です。
予備校なら重要判例に関するレジメが配布されるので、状況に応じて購入すればよいでしょう。
うわ~、最低限のものだけでも結構なボリュームですね。
一気に全部そろえなくても大丈夫だよ。
弁理士試験の参考書の優先度
最後に、弁理士試験の参考書を優先度ごとにまとめておきます。
これらも基本的には必須です。ただ、勉強がある程度進んでから購入しても問題ありません。
弁理士の予備校選びに悩んでいる人は、こちらの記事もどうぞ。