弁理士試験に合格したら、もう一人前ってことですよね?
残念ながら、弁理士になれても仕事ができるかどうかは別の話だよ。
「弁理士試験に合格すれば一人前!」と思っている人、いませんか?
これ、大きな間違いです。残念ながら…。
弁理士になれたとしても、実務がこなせるかどうかはまったく別の話です。
それなら「さっさと試験勉強は終わらせて、実務の習得に集中したほうがいい!」のが私の考えです。
弁理士試験は実務能力にあまり関係ない
弁理士試験は基本的に法律の試験です。
それに対し、弁理士の実務では法律知識以上に技術理解力が必要となります。
もちろん、実務を遂行する上で法律の知識が必要になる場面はあります。
しかし、明細書作成や中間処理といった日常の業務では、弁理士試験で問われる知識が活かせる機会はそれほどなく、むしろ技術理解力を持っていることのほうが武器になります。
極端な言い方をすれば、弁理士試験は、実務ではあまり使わない法律知識を過剰に問う一方、実務で重要な技術理解力は何も問わないというおかしな試験なのです。
稼ぐためには特許技術者で十分?
実は、弁理士試験に合格していなくても、無資格の『特許技術者』として特許事務所で働くことは可能です。
特許技術者とは、法律事務所におけるパラリーガルみたいなものです。
特許事務所では自分の売り上げに応じて年収が決まるケースが多いので、売り上げに直接関係のない弁理士試験の勉強に励んでも昇給にはつながりません。
年収を上げることを第一に考えた場合、試験勉強に励むよりも、明細書や意見書をどんどん書いて、特許技術者としての実務能力を向上させたほうが手っ取り早いです。
「じゃあ、弁理士資格なんて取らなくてもいいのでは?」と思う人もいるでしょう。
この点については、詳しくはこちらの記事に書いていますが、私は「弁理士になったほうがいい」と考えています。
ただし、弁理士を目指すべきかどうかについては、個人の考え方や事情によるところも大きいので、正解はありません。
弁理士試験は短期合格を目指すべき!
「弁理士試験にチャレンジする!」と決心した人に、私からエールとともにアドバイスを送りたいと思います。
それは、「弁理士試験は短期合格を目指すべき!」ということです。
最初に書いたように、弁理士試験の勉強は実務においてそれほど役には立ちません。試験勉強を深掘りして必要以上の時間を費やすのは無駄です。
弁理士試験はものすごく難解な試験というわけではなく、努力と継続ができれば誰でも合格できる試験です。
しかも、最近は弁理士試験を一発合格する人も少なくありません。
短期合格を目指すなら、早いうちにその決意を固めて、試験勉強を始めましょう。
まだ実務をまともにできない新人のうちは、仕事もそんなに回されませんし、弁理士試験の勉強に集中できるまたとない機会です。
反対に試験勉強に何年も費やしていると、仕事量が徐々に増え、勉強時間は削られていく一方。何よりもモチベーションを維持するのが大変です。
「さっさと試験勉強を終わらせてから、実務の習得に集中する!」
この戦略がベストだと思います。
仕事も大してこなさずに試験勉強ばかりに励んでいると、先輩特許技術者からチクリと嫌味を言われることもあるかもしれませんが、そこは図太く生きましょう(笑)。
短期合格を目指すとなると、独学はまず無理です。予備校のお世話になるのが短期合格への近道です。
覚悟を決めたあなたなら大丈夫です!!
短期合格って具体的にはどれくらいの期間ですか?
2〜3年ぐらいかな。最近は一発合格者も多いよ。