弁理士試験って難易度高いんですよね?
確かに合格率は低いけど、数字に惑わされないでね。
弁理士試験の合格率は令和元年度が8.1%、令和2年度が9.7%でした。
この数字だけを見て、「10人に1人も合格しない試験なのか…」と、その難易度にひるんでしまう人もいると思います。私もそうでした。
しかし、弁理士試験の難易度(合格率)を鵜呑みにする必要はありません。覚悟を決めて勉強した人にとっては、弁理士試験は合格率で表されるほどの難関試験ではありません。
その3つの理由についてお話しますので、半信半疑の人も、この記事を読めば納得してもらえると思います。
理由1:弁理士受験生の年齢層は高い
まず1つ目の理由として、弁理士試験の受験生の年齢層が高いということが挙げられます。
令和2年度の統計では、弁理士試験の受験生の平均年齢は42.5歳となっており、ほかの士業(例えば司法試験は20代後半)と比べてかなり高いです。
悲しいかな、年齢が上がるほど記憶力が低下するのは必然で、試験勉強は不得手になっていくでしょう。
それに、年齢層が高いということは、仕事や家庭などの都合で試験勉強の時間を確保するのが難しい人が多いことを意味します。
つまり、受験生の年齢層が高いことが、弁理士試験の合格率が低くなる一因となっており、決して試験そのものが超難関というわけではありません。
理由2:弁理士試験の免除制度は受験生に優しい
弁理士試験の難易度がそこまで高くないと私が考える2つ目の理由は、弁理士試験の免除制度にあります。
免除制度にもいろいろありますので、詳細については特許庁のサイトをご覧ください。
受験生にとって一番ポイントとなるのは短答試験の免除制度で、「短答試験に合格すると2年間は短答試験が免除される」というものです。
弁理士試験は、短答試験、論文試験、口述試験の3つの試験からなりますが、一番の山は論文試験、そして次が短答試験です。
短答試験と論文試験を同じ年に突破しようと思うと大変ですが、短答試験と論文試験を別々にクリアしてもいいということになればだいぶ話は変わります。
例えば、令和2年度の統計を見ると、短答試験の合格率は18.2%、論文試験の合格率は25%となっています。
合格率18.2%の短答試験を突破したあと、合格率25%の論文試験にチャレンジするチャンスが3回(当年、翌年、翌々年)あるのです。
難関と言われる論文試験も何とかなりそうな気がしてきませんか?(笑)
ちなみ、口述試験は合格率が98.6%なので、手抜きはできませんが、特に心配する必要はありません。
理由3:弁理士受験生の半数はダメ元受験
最後の理由が、弁理士試験の受験生の半数はダメ元で受験しているからです。
これについては、私の感覚的なものであり、統計を示して説明できるものではありませんが、一番大きな理由と思っています。
弁理士試験の受験生の8割以上は社会人なので、「仕事に追われてほとんど勉強できなかった」という人がかなり多いです。
あるいは、年に1回の試験なので、勉強を始めたタイミングによっては、「ダメ元でとりあえず受験だけしました」という人も相当数います。
周りの受験生を観察していると、こういった理由で明らかに準備不足の人たちが半数程度に上るのではないかという印象です。
ちゃんと勉強をしてきた人なら、受験会場の席に座った時点ですでに半分の受験生には勝っていると考えてよいでしょう。
弁理士試験の難易度(合格率)は気にしなくていい!
以上のように、弁理士試験の合格率の低さは、かなり見掛け倒しであることがわかっていただけたかと思います。
若くて勉強時間もしっかりとれる人なら合格可能性は高いですし、そうでない人でも2~3年かければ計画的に最終合格に到達することは十分可能です。
もちろん、弁理士試験は決して簡単ではありません。
しかし、「弁理士に興味がある」という人が、試験の合格率だけ見て「ムリムリ〜」と退散してしまうのは非常にもったいないです。
「弁理士に興味がある」というだけでも貴重な人材ですので(笑)、表面的な合格率にひるむことなく、果敢に弁理士試験にチャレンジしてください!
覚悟が決まった人は、できれば独学ではなく、プロの講師を抱える予備校を利用したほうがいいでしょう。合格までのハードルがぐっと下がるはずです。
以上、参考になれば幸いです。
僕もなんとかなりそうな気がしてきました。
そうそう、本気でやれば十分になんとかなる試験だよ!