弁理士試験に合格しても勉強は終わらない!

弁理士の仕事
トンボ
トンボ

「弁理士は試験に合格してからも勉強が大変」と聞いたんですが…。

カブト
カブト

それはその通りなんだけど、どんな仕事でも一生勉強じゃないかな。

「弁理士は一生勉強!」とよく言われます。

弁理士になるためには、難関の弁理士試験に合格し、さらに実務修習を修了しなければなりません。ここまででも十分に大変です。

弁理士になるには?弁理士試験の難易度や内容は?
弁理士になるには、弁理士試験に合格することに加えて実務修習と呼ばれる研修を修了する必要があります。この記事では、弁理士試験の難易度や内容について説明しています。

それなのに、「一生勉強」なんて言われたらがっくりしてしまう人もいるかもしれませんが、事実は事実ですので覚悟しておきましょう(笑)。

ただ、仕事とは別に時間を確保して取り組まなければならない試験勉強よりは楽だと思いますので、その点は安心してください。

この記事では、弁理士になってからも続ける必要のある勉強にはどんなものがあるのかについて、お話ししたいと思います。

法律に関する勉強

弁理士の仕事は、特許権や商標権などの産業財産権を取得するお手伝いをすることです。

弁理士とは何かを簡単に説明すると?
弁理士は士業の1つですが、士業の中でもかなりマイナーな職業なので、まったく知らない人も多いはず。そんな「弁理士って何者?」という疑問を持っている人に向けて、できるだけ簡単にわかりやすく説明しています。

特許権や商標権に関する仕事をする以上、そのルールを定めている特許法や商標法などの法律に精通している必要があります。

これらの法律に関しては弁理士試験で一通り勉強しますが、頻繁に法改正もあるので、試験合格後も知識をアップデートしていく必要があります。

また、外国での権利化を図る『内外業務』と呼ばれる仕事も担当するようになると、外国の法律についても勉強をする必要が出てきます。

外国のプラクティスに関しては、現地代理人のアドバイスを受けられるので、日本の弁理士がすべてを知っておく必要はありません。

しかし、基本的なことや重要なことは知っておかないと、クライアントの前で恥をかいたり、とんでもないミスをやらかしたりするので、最低限の勉強は欠かせません。

外国のプラクティスに関する知識は、弁理士によって差が大きくなりやすいところなので、マイナーな領域をがんばって勉強すれば、あなたのアピールポイントにできます。

判例に関する勉強

弁理士の実務は法律に基づいて行われますが、法律は万全ではありません。法律の解釈に争いが生じることもあります。

例えば、特許要件の1つに「すでにある発明に基づいて容易に発明をすることができたものは特許にならない」という『進歩性』と呼ばれる要件があります。

進歩性の判断には主観も少なからず含まれるので、特許庁の審査官と出願人との間で最も争いが生じやすいところです。

また、私は詳しくありませんが(苦笑)、意匠や商標が似ているかどうかを判断する『類否判断』も争いが生じやすいところです。

こういった争いが生じやすい論点については、過去に裁判所がどのような判断を示したか、すなわち判例を参考にする必要があります。

すべての判例に目を通すのは大変ですが、重要な判例だけでも把握しておけば、中間処理のときに説得力のある意見書が書きやすくなります。

弁理士の仕事内容とは?『中間処理』ってこんな仕事です
弁理士の仕事において、『明細書作成』と並ぶ主要業務と言えば『中間処理』です。中間処理とはどんな業務なのか、また、中間処理をこなすにはどんな能力が必要なのか、について説明します。

技術に関する勉強

弁理士のメイン業務は、特許出願に必要な書類を作成することです。この業務は『明細書作成』と呼ばれますが、発明の技術内容を理解できなければ何も始まりません。

弁理士の仕事内容とは?『明細書作成』ってこんな仕事です
弁理士の仕事において、『明細書作成』と呼ばれる業務はもっとも基本的かつ重要なものです。明細書作成とはどんな業務なのか、クレームって何なのか、どんな能力が必要なのか、について説明します。

つまり、弁理士実務をこなしていくには、法律や判例に関する知識と同様に、いやそれ以上に技術理解力が重要となります。

技術理解力がないと、クライアントとの特許面談でフリーズしてしまうことになりますし、明細書を書こうにも書けません。

この「技術理解力が必要」という点が、弁理士がほかの士業と大きく異なる点です。

弁護士の知り合いに、「弁理士って毎回異なる技術を勉強して理解してるの?」って驚きながら聞かれたことがありますが、得意気に「そうですよ」って答えておきました(笑)。

ただ、案件を何件もこなしていると、発明の詳細がわからなくても発明の本質を理解する力は身に付くので、意外と何とかなるものです。

語学に関する勉強

弁理士の実務では、とりあえず英語の読解ができれば困ることはありません。

ただ、英語に対する苦手意識が強く、「読解すらイヤ」という人は内外案件で苦労するので、苦手意識をなくせる程度には英語の勉強にも取り組んだほうがいいと思います。

弁理士に英語は必須!高い英語力で年収アップも!
弁理士が英語が流暢に話せる必要性はあまりありませんが、英語アレルギーがあるようだと少し厳しいかもしれません。弁理士の仕事ではどんな場面で英語が必要となるのか、また、どの程度の英語力が求められるのかについてお話しします。

英語の勉強と言っても、TOEICとか英検とかに励む必要はなく、仕事で接する英語の特許文献やOA(外国の拒絶理由通知)を丁寧に読むことを心がければいいでしょう。

特許独特の言い回しに慣れ、特許文献やOAを理解できるようになれば、実務をこなしていく上での英語力としては十分だと思います。

英会話力があれば、例えば現地代理人と会う機会があったときに通訳を通さずに会話ができるので、信頼関係の構築に役に立ちます。

私はほとんど通訳の人に任せてしまっているので、「英会話もがんばらないと…」と思いつつ、重い腰がなかなか上がりません(笑)。

また、最近何かと話題の中国ですが、中国語のニーズは特許業界でも高まっており、中国語ができるというのは強みになるでしょう。

弁理士試験は早期合格を目指そう

以上のように、弁理士として身を立てていくには、法律、判例、技術、語学などの勉強を続けていく必要があります。

弁理士試験はこのうち法律と判例の一部の知識を問うものにすぎず、弁理士試験に合格できる能力があるからと言って、実務ができるようになるわけではありません。

なので、弁理士試験にはできるだけ早く合格して、実務の習得に集中できるようにがんばりましょう。

弁理士試験は弁理士実務と別物。だから短期合格を目指すべし!
「弁理士試験に合格さえすれば一生安泰!」と思っている人には残念なお知らせですが、弁理士になれてもそれで仕事ができるようになるわけではありません。それなら、最初から短期合格を目指して試験勉強に取り組んだほうがいいですよ。

早期合格を目指すためには、

  • 職場で弁理士を目指すことを宣言する
  • 弁理士を目指すと決めたら即行動に移す

ようにしましょう。

周りに弁理士を目指すことを宣言することで、自分でも覚悟が決まりますし、残業がないように仕事量を減らしてくれるといった配慮をしてもらえるかもしれません。

仮にそういった配慮がない場合は、受験生の間は断れる仕事は断ってでも定時退社を心がけるといった割り切りも必要です。

また、弁理士を目指すと決めたら、「問題集を買いに行く」、「予備校の弁理士講座に申し込む」といった行動にすぐ移しましょう。

弁理士試験にオススメの参考書10選
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即行動に移すことで、悩んでいる時間を勉強時間に充てることができます。また、お金を使うことで「元を取ろう」という意識が働き、勉強を始める動機にもなるかと思います。

一生勉強の世界へようこそ!(笑)

トンボ
トンボ

技術の勉強って幅が広くて大変そうですね。

カブト
カブト

技術は進歩が著しいし、いろんな分野があるから、確かに一番苦労するかな。面白くもあるけどね。