転職するなら特許事務所よりも企業知財部がオススメ?!

特許事務所への転職
トンボ
トンボ

カブト先生はどうして特許事務所に転職されたんですか?

カブト
カブト

あまり企業に向いてないと思ったからだよ。

下の記事でも書きましたが、弁理士には、特許事務所だけでなく、企業の知財部で働くという選択肢もあります。知財部で働く弁理士は、「企業内弁理士」または「インハウス弁理士」と呼ばれます。

5.弁理士の勤務先は特許事務所か企業知財部のほぼ二択
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リーマンショック以降、弁理士の数は急増する一方で、特許出願の減少や弁理士報酬の値下げ圧力などにより、特許事務所は以前よりもウマミの少ない職場となってしまいました。

このため、弁理士試験に合格しても、特許事務所ではなく企業の知財部を選択する人が増えています。

安定を求めて公務員が人気の職業となるような世の中なので、弱小の特許事務所より大きな企業のほうが魅力的に映るのは当然かもしれません。

では、特許事務所は転職するに値しないような職場となってしまったのでしょうか?

この疑問に答えるべく、私から見た「特許事務所の残念な点」と「特許事務所の素晴らしい点」を挙げてみたいと思います。

この記事を読んでから、あなたが特許事務所に転職したいと思うかどうかを判断しても全然遅くないと思いますよ!

特許事務所の残念な点

まずは、特許事務所の残念な点から見ていきましょう。

特許事務所の年収は仕事内容の割にはイマイチ

特許事務所に入って、リーダー職に昇格したり、処理件数を人並み以上に伸ばせば、例えば30代で年収1,000万を超えることも不可能ではありません。

しかし、それを実現できる人はほんの一握りであり、年収600~800万円の間に収まる人が多いという印象です。これくらいの給与水準であれば、生活に困るということはないでしょう。

しかし、弁理士試験の難易度や実務で要求される能力(高い技術理解力や英語力)を考えると、「もう少し年収が高くてもいいのにな~」というのが正直なところです。

また、特許事務所は大手でも所詮中小企業の規模にすぎないので、退職金、企業年金、福利厚生などは手薄なことが多いです。このため、生涯年収で比較すると、企業に水をあけられやすいです。

最近、企業内弁理士が増えているのは、特許事務所のあまりパッとしない待遇が大きな理由であることは間違いないでしょう。

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日々の仕事が単調になりがち

特許事務所におけるメインの業務は、「明細書作成」と「中間処理」です。詳しくは下の記事に書いているので、ここでの詳細な説明は省略しますが、どちらも書類作成がメインの業務です。

3.産業財産権を取得するための特許庁への手続きの流れ
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クライアントから明細書作成の依頼があると、発明者と面談を行うのが一般的なため、出張する機会は多くあります。

しかし、担当するクライアントはそんなに短期間で変わるものではないので、出張と言ってもいつも同じところばかり・・・。

中間処理にいたっては、メールや電話のやり取りで済ませることが多く、事務所から一歩も出ずに完結することがほとんどです。

つまり、特許事務所に勤めていると、日々の変化が少なく、事務所内でのデスクワークばかりの単調な日々になりがちです。

また、特許業界は全体的におとなしい傾向があり、飲み会などのイベントもあまりありません。こういう地味な業界色も、日々の単調さに拍車をかけることになるでしょう。

私の場合は、割り切って、プライベートでの刺激を求めることにしています(笑)。

特許事務所の素晴らしい点

続けて、特許事務所の素晴らしい点についてお話します。私が素晴らしいと考える点は、少しマニアックなので、多くの賛同は得られないかもしれませんが・・・。

特許事務所は転勤や単身赴任がない

私は、特許業界に転職する前は企業で働いていました。仕事はそれなりに楽しかったですし、親しい同僚や先輩もいて、今より(!)楽しく働いていました。

しかし、企業(特に大企業)に属することの「歯車感」がたまらなくイヤでした。そして、私が「歯車感」を最も強く感じていたのが、「転勤」や「単身赴任」という制度でした。

私は、自分が住む場所は自分で決めたいですし、家族と離れて暮らすなんて考えられません。なので、転勤や単身赴任を強いる会社は、社員の人権を侵しているのではないかとすら考えていました。

この点、特許事務所は、幸か不幸か全国展開するほどの規模ではありませんので、基本的に転勤も単身赴任もありません。

若い人や独身の人にとっては、どうでもいいことかもしれません。でも、家族を持つ40代のオヤジになると、転勤の心配のない人生をありがたく感じますよ〜。

歳を取っても気軽・身軽でいられる

最近は転職が珍しいことではなくなり、20代~30代前半くらいまでなら、大きくキャリアを変えることだって可能になっています。

とは言え、40歳を過ぎてくると、中途採用の年齢条件に引っかかりやすくなり、転職は徐々に難しくなってきます。

しかし、特許事務所間の転職なら、経験者であれば40代でも十分可能ですし、50代でもやろうと思えばできます。

特許事務所への転職は急がず、焦らず、慌てずに!
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また、特許事務所によって雰囲気の違いや細かい業務の進め方に違いはありますが、その相違は企業間の相違と比べると小さいものです。

このため、歳を取ってからでも、特許事務所間の転職ならあまり抵抗感はありません。会社を変える場合の大ゴトぶりと比べると、気軽なもんです。弁理士であれば、独立開業という選択肢もあります。

このため、特許事務所では、「この職場に定年までしがみついているしかない」と追い詰められるようなことは少ないように思います。不満があれば、事務所を変えればいいのです。歳を取ってからても、身軽でいられますよ。

特許事務所の求人を探すのに押さえておきたい転職サービスと転職サイト
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特許事務所で自由度の高い人生を!

まとめると、特許事務所という職場は、大企業と比べると金銭面では少し寂しいところもあるかもしれませんが、仕事や人生の自由度という点では、恵まれた環境ではないかと考えています。

仕事自体はチームワークというよりは個人プレーが主体ですので、マイペースで仕事をしたい人にも向いていますよ。

「自分には特許事務所があってそうだ」と思った方は、ぜひ特許業界の門戸を叩いてください!

トンボ
トンボ

「人生の自由度」なんて考えたことありませんでした。

カブト
カブト

トンボ君はまだ若いからね。でも、40歳を過ぎるとそういうことも結構気になるもんだよ。