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弁理士の独立開業。その現実や魅力は?

弁理士の独立開業。その現実や魅力は?
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トンボ

カブト先生は独立開業の予定はないんですか?

カブト

なかなか一歩踏み出す勇気がなくてね…。

弁理士資格の最大の魅力。それは「独立開業しやすい」ということに尽きるでしょう。

しかし悲しいかな、特許業界はリーマンショック以降の右肩下がりからいまだ立ち直れずにいます。そんな状況で、特許事務所を立ち上げてやっていけるのでしょうか?

この記事では、弁理士の独立開業について私が思うところを書いてみました。

目次

弁理士は独立開業しやすい

「独立開業」という言葉には、安定的な収入を捨てて、借金を背負って勝負に出るというような、ハイリスク・ハイリターンな響きがあります。

しかし、弁理士の独立開業に伴うリスクはそれほど大きくなく、むしろ独立開業が比較的しやすい資格だと思います。

というのも、弁理士は以下の3つの点において恵まれているからです。順番に見ていきましょう。

初期投資が少なくて済む

まず1点目は、弁理士の独立開業に初期投資は大してかからないという点です。

いきなり事務所を借りて、事務員を雇って…、となれば、まとまったお金が必要となりますが、そこは自分の財布と相談しながら決めればよいことです。

1人で自宅開業するのであれば、パソコン1台あれば何とかなります。あとは、弁理士会の会費が毎月15,000円必要なくらいでしょうか。

弁理士が独立開業に失敗したからと言って、借金を返せずに破産申告…、なんて事態になることはまずないでしょう。

ライバルが少ない

2点目に、腐っても(!)、弁理士です。

いくら特許業界の状況が厳しくなったとは言え、難関の国家資格の壁で守られており、メインの権利化業務は弁理士の独占業務となっているので競争相手は限られています。

新しいライバルが次から次と現れるような飲食店などの開業と比べると、大変恵まれた環境と言えるでしょう。

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失敗しても勤務弁理士に戻ればいい

1点目と2点目はほかの士業にも共通することですが、3点目は弁理士ならではと言えるかもしれません。

それは、弁理士の場合、独立開業に失敗しても、それなりの待遇で特許事務所に戻ることができるという点です。

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人から聞いた話ですが、例えば税理士とか行政書士の場合、独立してナンボみたいなもので、雇われの間はかなりの安月給らしいです。

そうなると、独立に失敗したからと言って、事務所に戻るのはいろんな意味でツラそうです。

この点、弁理士が独立に失敗したとしても、勤務弁理士に戻って仕事さえこなせば、それなりの安定収入が期待できるので、生活に困るようなことはまずないでしょう。

もちろん、多少のプライドは捨てないといけないでしょうが…。

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私が独立開業をためらう理由

ここまで読んだ人の中には、「そこまで言うなら自分が独立すればいいのに!」と思った人もいるでしょう。

しかし、自分事となるとなかなかそうはいかないのです(笑)。

クライアント獲得が難しい!

私に限らず、弁理士が独立開業をためらう最大の理由は、クライアントを獲得する難しさにあると思われます。

特許出願の大半は大企業によるものですが、大企業の知財部は弁理士1人の個人事務所に依頼を出すことは滅多にありません。多くの知財部は弁理士が2人以上在籍していることを要求してきます。

それに、企業知財部はすでにほかの特許事務所と長い付き合いをしているのが普通で、そこに割って入っていくのはよほどの営業力かコネがないと厳しいでしょう。

大企業がダメなら、中小企業や個人発明家の仕事を受けるという手がありますが、継続的な依頼はあまり期待できません。

また、あまり特許制度の細かいことは知らない中小や個人をターゲットにする場合こそ、相手をグッと惹きつける営業力がモノを言うでしょう。

弁理士には「営業はちょっと…」というタイプの人が多いですが、私も例に漏れずそんなタイプの人間なのです(苦笑)。

勤務弁理士も悪くない

上でも少し書きましたが、弁理士って『雇われ』でもそれなりの収入を得ることができます。しかも、独立して特許事務所を経営するよりも、安定的にその収入を維持することができます。

それに、独立したら意匠も商標も事務も雑務も何もかも自分でこなさないといけません。

もちろん、雇われの身である以上、好き勝手はできませんし制約もいろいろあるので、その点においては独立弁理士の自由さはうらやましくもあります。

しかし、個人的にはかなり自分の裁量で仕事をさせてもらっており、雇われていることの不自由は特に感じていません。

また、自分で明細書をバリバリと書くよりも後進の指導に面白さを感じるようになってきましたが、それは特許事務所のリーダーという今の立場だからできることです。

「収入もそこそこ」で「特許業務や後進の指導に専念できる」し「仕事の自由度もまあまあ高い」という状況なので、私には今のところ勤務弁理士を辞める理由が見当たらないのです。

カブト

改めて考えると「恵まれているなぁ」と感謝です。

一応大黒柱なので…

破産するようなリスクはないと言っても、独立開業してしばらくは収入がほとんどない状態が続くでしょうし、収入がそこから増えていく保証もありません。当たり前です。

我が家のライフステージ的には、これから大きな出費が重なります。それに、退職金や企業年金など大して望めないので、老後資金も自助努力でなんとかしないと!

…などと考え出すと、一家の大黒柱として収入大幅減というリスクを受け入れる覚悟が決まらないというのが正直なところです(苦笑)。

弁理士が独立開業するタイミングは?

仮に独立開業するとして、『独立開業するのにいいタイミング』ってあるのでしょうか。

私には答える資格がないので、知人の例を3つほど紹介しておきます。

てんでバラバラなので、結論は「お好きなときにどうぞ」ということになるのでしょう(笑)。

独立開業して成功しているWさん

勤務弁理士として3年修業したのちに、スパッと独立したWさんはこうおっしゃってました。

「最低限の仕事ができるようになったらさっさと独立すべき!勤務弁理士を続けて身に付く能力と、独立に必要な能力とは全然違う!」

さすが、独立して10年、すっかり経営を軌道に乗せてブルジョアの香りを漂わせるWさんの発言には説得力があります。

パートナーまで出世していたTさん

弁理士の大先輩であるTさんは、大手特許事務所に長年勤務し、パートナーまで昇りつめていたものの、お子さんが大学を卒業されたのを機にご自身も独立されました。

おそらく、年収は激減だと思いますが、これまでの蓄えがたんまりとあるのでしょう。

手にした自由を謳歌されている姿がまぶしいです。

「潮時かも」とつぶやくKさん

Kさんは、特許技術者として10年以上勤務しながら、弁理士試験に何度もチャレンジされていました。

そして、10年以上にわたる勉強の末に弁理士試験に合格すると、その翌年に独立されました。

現在、独立されてから5年くらいですが、仕事の確保に苦労されているようです。

先日お会いしたときには、冗談か本気か「そろそろ潮時かも…」とボソッとおっしゃってました。

年収アップよりも自由気ままが独立開業の魅力

夢のない話で恐縮ですが、独立開業する魅力が年収アップにあると考えていると、独立後に後悔する可能性が高いかもしれません。

もちろん、ビジネスの才覚があって、規模をどんどん拡大できるような人なら、勤務弁理士の限界を超えて稼ぐことができるでしょう。しかし、そんな人はほんの一握りです。

もっと現実的な話をするなら、独立開業後、まずは個人事務所の所長として経営を軌道に乗せることができれば成功者と言えるでしょう。

しかし、そんな成功者でも、勤務弁理士のときより売り上げが減る人が大半でしょうし、同じ1件でも図面作成や事務手続きもすべて自分でやるとなると時間はかかります。

となれば、いくら売り上げはすべて自分の収入になると言っても、大きく収入を伸ばすことはそんなに簡単なことではないはずです。

個人的には、独立開業の一番の魅力は、年収アップではなく、「一国一城の主」になれることにあると思います。

少々リスクがあろうが、収入が減ろうが、「自分の裁量で好きにやれる!」ということに魅力を感じる人は、独立することでハッピーな人生を送ることができる可能性大です。

自宅開業して3年目の弁理士同期が言ったことが、すべてを物語っているように思います。

「独立して実入りは減ったけど何でも自由!!もう『雇われ』には戻れない!」

トンボ

カブト先生、早く独立して僕を雇ってくださいよ!

カブト

そのときは来ない可能性が高いね(笑)。

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