トンボカブト先生は生まれ変わっても弁理士になりたいですか?
カブトいや、別に(笑)。
『天職』という言葉がありますが、今の仕事を天職と思える人はどのくらいいるのでしょうか?
私自身は、生活の糧を得るための手段として弁理士は悪くない職業と考えていますが、天職と思うほどの思い入れはありません。
なので、「生まれ変わっても弁理士になりたい?」と問われれば、答えは「ノー」です(笑)。
弁理士歴10年以上の私が最近思っていることを正直に書きました。
弁理士になることを検討しているみなさんに、何か参考になるところがあれば幸いです。
弁理士になってよかった!
弁理士になって一番よかったと思うのは、「手に職を身に付けることで、組織に頼らずに身軽に生きていけるようになった」ということです。
勤務弁理士である私がこんなことを言うと、「そんなことは独立してから言え!」と怒られそうですが、これは確かな実感としてあります。
現状、私は勤務先の特許事務所から給料をいただいており、組織に頼って仕事をさせてもらっているのは紛れもない事実です。
しかし、「いざとなれば、ほかの特許事務所に転職もできるし、独立だってできる」という気楽さはいつも持ち合わせており、今の事務所にしがみつく必要性は感じていません。
一旦このような心境に至ると、自分の思うやり方で仕事を進めたり、物怖じせずに意見が言えたりできるようになり、それが評価につながり、さらに心に余裕ができるという好循環が生まれます。
この心の余裕は、私の人生において大きな収穫です。
企業に勤めている場合は、どうしても手に職というよりも、会社の看板で稼いでいる度合いが高くなります。
会社勤めをしていて40代も半ばになると、「定年までこの会社にしがみつくしかない」という感が強くなってくると聞いたことがあります。
それに、転勤や単身赴任でプライベートをかき回されることにも大きな抵抗感がありました。
この点、今の私の状況はとても恵まれていると思います。
弁理士としての修業はツラかった!
とは言え、私が「弁理士になってよかった」と思えるようになったのは、クライアントや所長から評価をいただけるようになったここ2、3年の話です。
以前は、弁理士としての実力に自信がありませんでしたし、企業がくしゃみをしたら飛んでしまうようなちっちゃな特許事務所を不安に思う気持ちが強かったです。
上司との相性が合わずに病んだこともありますし、クライアントからお叱りを受けて凹むこともありました。
はっきり言って、修業期はツラかったです(泣)。
トンボカブト先生にもそんな時代があったんですね。
カブトそんな時代が長かったかも…。
使い古されたフレーズですが、「そういう時代があったからこそ今の自分がある」と思えるようになってきたのがようやく最近というわけです。
これから特許事務所に転職しようとする人は、もしツラい修業期にぶち当たったら、「そういえば、カブトってやつもこんな時期があったって言ってたな…」と思い出してください。
それで、少しでもあなたの気持ちが楽になれば、この記事を書いた甲斐があるというものです。
弁理士にはもうなりたくない?!
私は弁理士を面白い仕事だと思っていますし、弁理士であることに誇りを持っています。
しかし、「生まれ変わっても弁理士になりたい!」というアツい気持ちは別にありません(笑)。
なぜなんでしょう??
私の場合、20代の後半で「大企業で生きていくのは向いていない」と感じ、それから独り立ちも可能な弁理士を目指すことにしました。
悩んでいた若かりし頃の私の受け皿になってくれた特許業界には感謝しています。
でも、「なりなくてなった」というよりも「消去法的にたどり着いた」という感が自分的には強いので、生まれ変わってまで目指したいという気持ちにはあまりならないんです。
そう言いつつも、現実的な折り合いを考えたとき、結局は弁理士にたどり着く可能性もかなり高い気がしますが…(笑)。
自分の性格や得意領域は弁理士に向いていると思うし、嫌いな仕事ではないので。

以上、自分語りになってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
トンボ弁理士は現実的な選択肢としては悪くないけど、追いかけるほどでもないって感じですか?
カブトまさにそんな感じだね!










