リーガルジョブボードは法律系専門職に特化した転職エージェントで、特許事務所への転職にも強いエージェントです。
2021年9月時点で特許事務所の求人取扱数は約400件と、その数は群を抜いています。
今回はリーガルジョブボードで弁理士・特許技術者の担当をされている三島さんと対談させていただく機会をもらったので、みなさんと共有したいと思います。
仕事に熱く、フットワークの軽い三島さん。
こちらのツイートからもわかるようにとても勉強熱心な方で、特許業界についてもかなりの情報通です。
知財系の転職コンサルタントになって約1年8ヶ月になるが、やっと特許出願に関する具体的な流れを理解できた。
— 三島善太@弁理士・弁護士・知財専門【転職・採用支援】 (@LJB_Mishima) December 3, 2019
パリルート、PCTルート、マドプロ、早期審査、スーパー早期審査など。
いろんな制度やルールが多く覚えるの大変なので、業界の方々はみんなリスペクトしてます。
今回は答えにくい質問にも正直ベースで回答していただく裏話アリのトークでしたので、ここでしか得られない情報もあるかもしれませんよ。
特許事務所への転職について
三島さん、今日は答えにくい質問もさせていただきますが(笑)、宜しくお願いします。
カブトさん、お手柔らかにお願いします(笑)。
特許業界の景気は?
まずは、特許業界の近況について聞かせてください。
特許事務所の景気の厳しさが語られるようになって久しいですが、三島さんの印象はどうですか?
正直なところ、どこの特許事務所の先生からも、景気のいいお話はあまり聞かないですね…。
大企業からたくさん案件をもらっている大手の特許事務所でも、出願時の単価を抑えるように言われて、なかなか大変な状況のようです。
特許事務所に転職する意味は?
そんな状況の中、あえて企業ではなく特許事務所に転職する意味ってあると思いますか?
求職者様それぞれの転職の目的によりますが、私個人の意見としては意味があると考えています。
年収が高いから企業へ行きたいと考える方もいらっしゃいますが、特許事務所でも景気がよく歩合率がよいところもあります。
私も事務所の方からお話を伺うときに、「そんなに初年度から年収がもらえるのか?!」と驚くこともありますよ。
どういう事務所が比較的高待遇ですか?
内外や外内を多く扱う事務所は、まだまだ景気がよさそうです。
また、スタートアップ企業や中小企業の支援を積極的に行っている事務所は、単価も一定以上確保できており、案件数もそれなりにあるようです。
やっぱり単価が重要ですよね。薄利多売みたいな商売は身が持ちません(笑)。
あと、特許事務所の働きやすさも変わってきています。
ある程度自由な環境でお仕事をされたい方にとっては、特許事務所はまだまだ魅力的な職場ではないかと思います。
事務所による差もありますが、確かに個人が自由に働きやすい風潮はありますね。
ええ、そう思います。
特許事務所への転職理由で多いのは?
特許事務所に転職する人って、どういう理由で転職する人が多いですか?
未経験者の方は「明細書を作りたい」、「幅広い技術に触れたい」、「専門家としてやっていきたい」などが挙げられます。
現職が特許事務所の方は、「事務所の経営が不安定なので安定した環境に行きたい」、「年収を上げたい」、「英語力を活かしたい」、「上司と合わない」などが多い印象です。
転職時に年収を上げることは可能?
「年収を上げたい」という希望は叶えられるものですか?転職時は年収が下がるのが一般的だと思いますが…。
実務経験やバックグラウンドによりますが、6~7割の方は年収が下がらずに転職されています。
理由は、事務所様が求めている求職者様をご紹介できているからだと考えています。
転職回数は多くても大丈夫?
転職を考えている人の中には、自分の転職回数の多さを気にしている人もいますが、そのあたりはどうですか?
残念ながら、日本では転職回数が多いと煙たがれる可能性が高いため、あまり回数を増やさないことを推奨します。
ただ、面接官を納得させられる転職理由の伝え方次第では、問題ないと考えております。
この点については、私と一緒に伝え方を考えましょう(笑)。
- 特許業界の景気はあまりよくないが、高待遇の特許事務所もまだある
- 働きやすさの点で特許事務所は有利
- 転職時に年収が下がらないケースが意外と多い
- 転職回数は多すぎないほうがよいが、多くても理由の伝え方で何とかなる
転職エージェントを利用することのメリット・デメリット
次は、特許事務所への転職で転職エージェントを利用することについて質問させてください。
どうぞ、どうぞ。
転職エージェントの利用率は?
特許事務所の転職ではどれくらいの割合の人がエージェントを利用していますか?ざっくりで結構なので。
4割ぐらいじゃないでしょうか。一般的な職種の転職よりもエージェントの利用率は低いと思います。
まだ、知財業界にエージェントを使った転職活動が浸透しきっていないと思います。
転職エージェントを利用することのメリットは?
「企業への転職なら転職エージェントは必須だけど、特許事務所なら不要」と考えている人もいるみたいです。
エージェントを利用するメリットって何でしょう?
一般的なメリットとして、「年収交渉ができる」ことや「第三者に転職相談ができる」ことが挙げられます。
年収に関しては、事務所様が必要としている人物像を把握しているエージェントだからこそ、対応ができることだと考えております。
私もエージェントを利用したことがありますが、「相談できる」、「アドバイスがもらえる」というのは確かに大きな安心感がありました。
特許事務所への転職でエージェントを利用するメリットは実はほかにもありまして、それは「働き方に関する交渉ができる」ことです。
と言いますと?
求人情報にはない「在宅勤務」、「時短勤務」、「業務委託契約」などの交渉ができることがあります。
業界の深刻な人手不足を解消するために、上記の働き方を提案させていただいた結果、「働き方に関する交渉」ができる特許事務所が増えてきました。
これはなかなか求職者様おひとりでは難しいと思います。
転職エージェントを利用することのデメリットは?
では、反対にエージェントを利用することのデメリットって何かありますか?
採用活動に対してあまり費用をかけることができない事務所様や、採用が上手くいっている事務所様は、エージェントから紹介ができないことがあります。
そのため、事務所によっては、個人でご応募いただくことを伝えるようにしています。
そうしたら、エージェントには手数料が入ってこなくなりますよね。いいんですか?
ビジネスなので手数料については考えなければならないと思いますが、私は「求職者様が自分らしく働ける環境に導くお手伝いをする」ことが重要だと考えています。
カッコつけた言い方かもしれませんが、手数料のことはまずはさておき、求職者様が幸せに働ける環境であれば、私個人としては特に問題ありません。
ちょっと意地悪な質問でした(笑)。
- 特許事務所への転職で転職エージェントを利用する割合は4割程度
- 転職エージェントを利用するメリットは「年収交渉ができる」、「第三者に転職相談ができる」、「働き方に関する交渉ができる」など
- 中には転職エージェントが紹介できない特許事務所もある
リーガルジョブボードの強みや評判は?
最後にリーガルジョブボードの転職サポートについて、質問させてもらってもいいですか?
何でも聞いてください!
リーガルジョブボードの認知度は?
知財系の転職を扱うエージェントはいくつかありますが、御社の認知度はどうですか?
知財業界での転職市場として、弊社のポジションはまだまだだと思います。
「弁理士 転職」で上位表示されるようになりましたが、弊社の口コミが業界内でまだ広がっていないように思っています。
もっと知財業界の方々に知ってもらう努力をしないといけないと感じています。
弁理士試験合格者の交流会を開催したり、弁理士イベント「特許の鉄人」のスポンサーをされたり、かなり精力的に活動されてますよね?
まだまだです。
私は本気で知財業界のエージェントとしてナンバーワンを取りに行くつもりでいるので、その熱意は誰にも負けないですね!
熱意だけではなく、実績もしっかり積んで行かなければなりませんが。
三島さん、本当に熱いですよね(笑)。
リーガルジョブボードの強みは?
ほかのエージェントとは違う御社の強みって何かありますか?
「知財業界に精通したエージェント」が「素早く対応できる」点だと考えております。
一般的なエージェントは、幅広い職種や業種を扱うことが多いのですが、私たちの場合は、知財系人材に特化しておりますので、細かいところまで情報提供や提案が行えます。
素早く対応できるのには何か理由があるんですか?
弊社のコンサルタントは、採用側(事務所側)の対応と応募側の対応をどちらも行う『両手型』のスタイルで業務を行っております。
このため、他社様に比べると社内での連携の手間がほとんどなく、求職者様の要望にも素早く対応可能となっています。
私も経験ありますが、転職活動のときって大きな不安を抱えているので、連絡が遅いのはマイナスです。素早さは大きな武器ですね。
ありがとうございます。
あと、積極的な提案で、事務所様と求職者様どちらとも幸せになれるように手助けすることを心がけています。
具体的にどんな提案ですか?
例えば、現状、在宅勤務や時短勤務をさせてくれる事務所様が少なく、仕事を辞めてから復帰をすることができないママさん弁理士を多く見てきました。
「在宅勤務や時短勤務をされたい弁理士の方が多くいるので、求人に記載するとニーズがありますよ!」と根気強く提案していたら、ママさん弁理士向けの求人を多く獲得することができました。
それはまさにウィンウィンですね。特許業界の人間として、お礼申し上げます(笑)。
いいえ、とんでもありません。
転職が難しそうな人にはどう対応する?
求職者の中には「この人は厳しそう…」という人もいますよね。そんなときは正直にお伝えするのですか?
はい、正直にお伝えいたします。
現状の転職事情をお伝えした上で、求職者様のご要望が厳しいと感じたら正直ベースでお話をします。
ただ、大体の方の要望は、絶対に叶わないものではないので、諦めずに一度は探してから、求職者様へ報告するようにしています。
ブラック特許事務所を紹介することは?
ここだけの話(笑)、求人の依頼があった事務所がブラック事務所っぽいところだったらどうされるんですか?
法令を明らかに違反している事務所の求人は受理しません。また、疑わしい場合には、求職者様への積極的な紹介は避けています。
最近はブラック特許事務所も少なくなったみたいですけどね。
訪問取材で特許事務所の内情もしっかり把握
ブラックじゃないにしても、転職して人間関係がよりきつくなったみたいなオチはみんなイヤだと思うんですが、そういうのって事前に回避できますか?
求人先とのコミュニケーションの質によっては回避できます。
ただ、求人先から訪問取材を拒否されることもあり、内情を把握できないことがあるのも事実です。
私からすると、大事な採用活動のための訪問取材を断る事務所が理解しがたいです。
忙しいという理由やそこまで採用に力を入れていない事務所様は、取材を断る場合もあるようです。ほかにもいろいろな事情があるのでしょうね。
エージェントが面接に同席しても大丈夫?
そうそう、御社のサービスで、「求職者が希望すれば面接に同席してくれる」というのがありますよね。
すごく親身なサービスだと思うんですが、採用側から見たら「頼りない人だ」という印象を与えてしまいませんか?
面接に同席する目的を事務所様にきちんと伝えることで、そのような印象とならないように対応しています。
「中立な立場となり話を伺うことで、双方に適切な提案をするため」、「私自身の業界知識を増やしていき、事務所様によりよい提案を行うため」という説明を事前にさせていただきます。
さすが、心配りが細かいですね。
リーガルジョブボードの評判は?
最後に、御社を利用した人の評判を聞かせてください。
最近、求職者様から伺った話ですと、「子育てをしながら業務を行えるようになった」ということをよく伺いますね。先ほどお話したママさん弁理士向けの求人を提案した成果だと思います。
他の方ですと、「20代で知財業界に飛び込むことができて、楽しんで仕事ができてます!」とか「定年後、また業界で働くことができて感謝しています!」など、うれしいお声をいただけることもありますね。
人から喜んでもらえるって、仕事をしてて一番うれしい瞬間ですよね。
弁理士の仕事をしてても、クライアントに喜んでもらえたときが一番充実感を覚えます。
本当にありがたい限りです。
三島さん、今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。答えにくい質問にも対応していただき感謝です!
カブトさん、こちらこそありがとうございました。
- リーガルジョブボードの強みは「知財業界に精通したエージェント」が「素早く対応できる」こと
- 積極的な提案で事務所と求職者のウィンウィンの関係を手伝うことを心がけている
- 転職が厳しそうな求職者には正直に伝える
- ブラックと思われる特許事務所を積極的に紹介するようなことはない
- エージェントが面接に同席する場合はマイナス点にならないよう事前にフォローする
いかがでしたか?三島さんファンになった人もいるのでは?(笑)
いきなり自分で特許事務所に直接応募すると、特許事務所の求人の相場を知らないまま、悪条件で転職してしまう可能性があります。
また、ハズレの転職エージェントに申し込んでしまうと、ブラック特許事務所に送り込まれる危険性もあります。
リーガルジョブボードのような特許業界に精通した転職エージェントの力を借りるのが、転職活動成功への近道です。